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アトピー性皮膚炎の新しい治療法(インターフェロン療法)
公開日:2012年11月19日 最新情報
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アレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎は、アレルゲンに対する体の過剰反応で、“遺伝要因”と“皮膚のバリア機能不全”という2つの素因が関わっているのが特徴です。

現在は検査技術も発展してきており、血液検査でアレルギーの原因物質をある程度特定することも可能となってきております。
治療の基本はアレルギーの原因物質を排除することであり、シャンプー療法、アレルギー除去食、部屋の掃除・空気清浄機の導入などの環境整備を行います。

痒みのコントロールには従来から、ステロイド、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤などが使われてきました。
 ステロイドとはもともと体内で作られるホルモンで、白血球の活性を抑える働きなどがあります。
痒みを抑える効果が大きく、薬代も高くないため、アトピー性皮膚炎の痒み止めとして広く使用されています。
しかし用量が多くなると抵抗力が弱くなって、感染症に罹りやすくなったり
皮膚にさまざまな異常が起こる可能性があります。
また、肥満傾向になりやすく、糖尿病など、さまざまな病気を発症しやすくなします。
 抗ヒスタミン剤は痒みの元のひとつであるヒスタミンの働きを抑える作用があります。
副作用はほとんどありません。
ただし単独で使用して症状がなくなることはまれで、補助的に使う薬に位置しています。
 免疫抑制剤は身体の過剰な免疫反応を抑制することで、アレルギー反応を抑えます。
もともとは臓器移植の拒絶反応を抑えるお薬でしたが、低用量で使用することでアトピー性皮膚炎に使用できるというデータが揃い、2005年に犬への使用が認可されました。
ステロイドに比べ、副作用は弱いのですが、薬代が高価という欠点があります。

従来のアレルギ-の治療では上記の治療法が組み合わされてきました。
最近では研究もすすみ、アレルギ-体質の改善という新しい治療法が確立されつつあります。
今回紹介しますのはインターフェロン療法です。

「イヌインターフェロン-γ」は犬のアレルギー体質改善を目的とし、アトピー性皮膚炎の症状を緩和する世界初のインターフェロン製剤です。
インターフェロンは元々体内にある物質なので体にやさしく、重い副作用も出ないため、安心して使うことができます。
最初の1ヶ月目は週3回、2ヶ月目は週1回、合計16回接種します。
実際に「イヌインターフェロン-γ」を用いて8週間の治療を受けた症例の79%に、痒みの軽減がみられました。
また、痒みのほかにもアトピー性皮膚炎の特徴的な症状である、掻破痕(引っ掻き傷の痕)、紅班(発疹)、脱毛などの症状を総合的に改善する効果も認められています。
「イヌインターフェロン-γ」の登場により、これまで長年にわたって様々な治療を試みたもののなかなか症状が改善しなかったワンちゃんや、
ステロイドによる副作用に悩まされていたワンちゃん、
アトピー性皮膚炎症状の重いワンちゃんに、新たな治療の道が開かれたのです。

インターフェロン療法について、詳しい説明は冊子にして待合室に置いております。

また分からないことなどは当院スタッフにお尋ねください。

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